Jukebox AIは、AIで音楽を自動的に生成できるサービスです。
他のサービスとは異なり、アクセス方法がクラウドを使ったりするなど特殊で、一定の知識を持った人や、その労力を使ってもJukebox AIを活用したいという人に利用の価値があります、
そこで今回は、Jukebox AIを実際に利用している私が、Jukebox AIの使用方法や詳細についてご紹介するので、利用価値があるサービスかを判断してください。
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- Jukebox AIの使い方
- Jukebox AIの料金について
- Jukebox AIに向いている人の特徴
Jukebox AIとは??
Jukebox AIは、OpenAIが開発した音楽生成AIモデルです。
ディープラーニング技術を使用し、既存の楽曲スタイルやアーティストの特徴を学習することで、さまざまなジャンルやアーティストに似た楽曲を自動生成します。
音符や歌詞、メロディラインなどの音楽要素間の関係を自己で捉え、非常にリアルな音楽を生成することができます。
Jukeboxは、作曲家やアーティストが新しい楽曲のインスピレーションを得るために使用することができます。
Jukebox AIを利用するメリット
Jukebox AIを利用するメリットを3つご紹介します。
- アーティストスタイルを模倣することができる
- 高精度な音楽生成技術がある
- AIの出力を調整できる
アーティストスタイルを模倣することができる
Jukebox AIは、特定のアーティストの音楽スタイルを模倣することができるのが特徴です。
特定のアーティストが使うメロディ構成、楽器編成、リズムパターンなどを学習し、それに基づいて新たな楽曲を生成します。
例えば以下のような音楽を生成します。
- ビートルズ風の楽曲:60年代ロックを象徴するメロディックな構成や特有のコーラス技術を再現。
- エルトン・ジョンのスタイル:ピアノを中心としたメロディ、キャッチーなフック、壮大なバラードのような楽曲を模倣。
- 現代的なポップアーティスト:シンセサイザーを多用したサウンドや現代のミックス技術を使った楽曲を再現。
高精度な音楽生成技術がある
Jukebox AIの最新モデルでは、音楽生成の精度がさらに向上しており、音質や曲の構成が人間が作った楽曲に近づいています。
これにより、複雑なコード進行や、楽曲の長さ、各楽器の役割なども自然に生成されるようになっています。
また、以前よりも高解像度なオーディオ生成が可能となることで、音質が大幅に向上しました。
これにより、AIが生成する音楽がよりリアルで、プロレベルの品質に近づいています。
AIの出力を調整できる
Jukebox AIの最新バージョンでは、ユーザーが音楽生成のプロセスに直接介入できる機能が強化されています。
従来のモデルはAIがほぼ完全に楽曲を生成していたため、ユーザーが介入する余地が限られていました。
しかし、最新のバージョンではユーザーが生成プロセスをコントロールできるようになっています。
これによりAIの生成能力を活用しつつ、楽曲の詳細を自由にカスタマイズできる環境ができており、ユーザー独自の創造性を表現できる強力なツールとなっています。
AIで生成された楽曲をもとに自分の感性を反映させましょう。
Jukebox AIを利用するデメリット
Jukebox AIを利用するメリットを2つご紹介します。
- 音楽生成の時間が長い
- 創造性に欠ける場合がある
音楽生成の時間が長い
Jukebox AIで音楽を生成する際の時間が、他のサービスに比べても長めです。
場合によって時間は異なりますが、一般的には数分から数時間かかることが多いです。
具体的には、AIが生成する楽曲の長さが長ければ長いほど、生成時間が増加します。
短いフレーズや部分的な音楽を生成する場合は比較的短時間で済みますが、数分以上の曲を生成する場合はより多くの時間が必要です。
高性能なGPUを使用しているとより時間がかかります。
創造性に欠ける場合がある
Jukebox AIは多様なジャンルとアーティストスタイルを再現できる一方で、創造性においていくつかの制約があります。
AIは過去のデータをもとに楽曲を生成するため、完全に新しいスタイルや斬新なメロディを生み出すことが難しいです。
これにより、生成された音楽は既存の音楽に似たものになりがちで、ユーザーが期待するような「新しさ」や「独創性」に欠ける場合があります。
独自性を出すためには、自身でカスタマイズしたり、AIの介入を弱める機能を使うことをオススメします。
Jukebox AIの料金は無料??
Jukebox AI自体は、無料で利用可能です。
しかし、Jukebox AIのソースコードを利用するためには、Google Colaboratory Proというサブスクリプションサービスに登録する必要があります。
このサービスは、音楽生成には大量の計算リソース(特にGPU)を必要とするため、クラウドサービスを利用する場合は、クラウドコンピューティングの料金がかかります。
現在は、最低料金でもColab Proというプランで、月額料金: $9.99 USD(現在日本円だと約1,479円)になります。
Jukebox AIの使い方は??
- STEP.1Google ColabのセットアップGoogle Colabを使用してJukeboxを実行します。まず、Google Colabのノートブックを開き、自分のGoogleドライブにコピーしてください。
!pip install git+https://github.com/openai/jukebox.git
次に、必要なライブラリをインストールします。以下のコマンドをColabのセルに入力して実行します。
- STEP.2Googleドライブのマウント音楽ファイルを保存するためにGoogleドライブをマウントします。Colabのセルに以下のコードを入力し、Googleアカウントにログインして認証します。
from google.colab import drive drive.mount('/content/drive')
- STEP.3モデルの選択ukeboxには複数のモデルがありますが、最も使用されるのは「5b_lyrics」モデルです。これを使って生成する音楽のスタイルやジャンルを設定します。Colabのコードで次のように指定します。
model = '5b_lyrics' # もしくは '1b_lyrics' を使うこともできます
- STEP.4プロンプトを入力音楽生成のベースとなるプロンプトを設定します。例えば、以下のようなコードで、曲のジャンルやスタイルを定義します。
prompt = "A smooth jazz track with saxophone and piano"
プロンプトには、特定の楽器やアーティスト、ジャンルなどを自由に記述できます。これにより、生成される音楽の方向性が決まります
- STEP.5音楽生成の開始プロンプトを設定した後、音楽生成のコードを実行します。この処理には時間がかかります。長い曲の場合、数時間かかることがあるため、プロセス中にColabがタイムアウトしないようにする必要があります。
!python jukebox/sample.py --model=5b_lyrics --name=my_sample --levels=3 --sample_length_in_seconds=60 --total_sample_length_in_seconds=180
- STEP6生成した音楽の保存と再生生成が完了すると、Jukeboxは音楽ファイルを.wav形式で保存します。これをGoogleドライブに保存する場合は、次のコードを使用します。
from google.colab import files files.download('/content/my_sample.wav')
- STEP.7パラメータの調整Jukeboxでは、温度(temperature)や反復回数(iterations)、サンプル数などのパラメータを調整して生成結果を変えることができます。例えば、温度を上げるとよりランダムな音楽が生成され、下げるとより決定論的な(一定のルールに従った)音楽になります。
temperature = 0.8 # 0.2から1.0の間で調整
- STEP.8実験と調整最後に、生成された音楽のスタイルや長さをいろいろなプロンプトやパラメータで試してみましょう。例えば、ジャンル別のプロンプトを使って、特定のスタイルの音楽を作成することができます
Jukebox AIを利用する上で気になること
Jukebox AIを利用する上で気になることを4つご紹介します。
- 作った音楽は商用利用できるのか
- 作った音楽の著作権はどうなるのか
- スマホで利用できるか
- 歌詞を入れることはできるのか
作った音楽は商用利用できるのか
Jukebox AIで作った音楽は商用利用が可能です。
しかし、Jukebox AIは、既存の音楽データを学習して新しい音楽を生成するため、生成された音楽がどの程度オリジナルであるかが問題となります。
特に、特定のアーティストのスタイルやジャンルを模倣する場合、生成された音楽が既存の楽曲に類似している可能性があり、その場合、著作権侵害のリスクがあります。
リスクが心配な人は、生成された音楽を大幅に編集したり、法律家の助言を受け対応していきましょう。
作った音楽の著作権はどうなるのか
Jukebox AIで生成された音楽の著作権に関しては、現時点では法的に明確ではなく、OpenAIの利用規約やライセンス条件に基づいて判断されます。
AI生成物に対する著作権の取り扱いは法的に不確定な部分が多いため、商用利用や公開の際には慎重な対応が必要です。
ただし、ユーザーにAIで生成した音楽の著作権が与えられるわけではないので、その点は注意が必要です。
スマホで利用できるか
Jukebox AIはスマホで直接利用することは難しいですが、クラウドベースのサービスやリモート環境にアクセスすることは可能です。
例えば、Google Colaboratoryのようなクラウドサービスを利用して、Jukebox AIを動作させることができます。
この場合、スマホからブラウザを通じてColabにアクセスし、音楽を生成できますが、実際に計算を行うのはクラウド上のサーバーなので問題ありません。
歌詞を入れることはできるのか
Jukebox AIには歌詞を入力して音楽を生成する機能があります。
Jukebox AIは、特定の歌詞を与えると、それに基づいて音楽を生成し、その歌詞を含むボーカルを再現することが可能です。
生成されたボーカルは自然な歌唱に近づいていますが、まだ機械的な部分が残ることがあります。
特に、高音域や複雑なフレージングでの違和感が出る場合があります。
Jukebox AIを利用する上での注意点について
Jukebox AIを利用する上での注意点について3つご紹介します。
- クラウド上で利用が必要
- ある程度の編集スキルは必要
- 生成される音楽の品質を求めすぎない
クラウド上で利用が必要
Jukebox AIは、楽曲の生成に大量の計算リソース(特にGPU)を必要とします。
これにより、ローカル環境での実行は難しく、クラウドサービスを利用する必要がある場合があります。
クラウドの利用にはコストがかかり、特に長時間の計算が必要な場合、予想以上の費用が発生することがあるため、リソース管理やコストの確認が重要です。
ある程度の編集スキルは必要
Jukebox AIは、初心者向けではなく良い音楽を作るために、ある程度の作曲スキルを持つ必要があります。
ただ、音楽をAIで生成することは誰でも可能ですが、そこから商用利用をするのであれば、どんな音楽にすれば魅力的になるのか、考えるスキルと経験が必要でしょう。
趣味のように音楽をAIで生成して楽しむだけであれば、クラウド上でしか利用できないJukebox AIよりも他のサービスを利用する方が良いでしょう。
生成される音楽の品質を求めすぎない
Jukebox AIは音楽を生成する能力が進化してきていますが、生成される音楽の品質には限界があります。
特に、ボーカル部分が不自然に聞こえることや、長時間の楽曲で一貫性が失われることがあります。
また、生成された音楽に期待をしすぎてしまって、全然うまくいかないと感じるプロもいるようです。
今後AIがさらに発達した際には感性のギャップも埋まるかもしれません。
Jukebox AIはどんな人に向いてる??
Jukebox AIは以下のように向いているサービスとなります。
- 効率よく音楽を生成したい人
- 音楽制作に対する技術的なサポートが欲しい人
- クリエイティブAIに興味がある人
Jukebox AIは、アイデアのスケッチや楽曲のプロトタイプをすばやく生成するのに向いています。
楽曲の雰囲気をテストしたり、複数のスタイルを試してみたい人に最適です。
さらに、音楽制作の経験が少ないが、アイデアや歌詞を持っているアマチュアアーティストや、クリエイティブAIの分野に興味がある技術開発者や研究者にとっても価値があります。
まとめ:Jukebox AIで本格的な音楽生成を目指そう!
Jukebox AIでは、クラウドを活用しないといけないため、気軽に誰でもというサービスであはりません。
しかし、一部のプロやプロを目指す人、専門分野の人には高度なGPUを活用するため定評があります。
ぜひ、Jukebox AIに自分のスキルを反映し良い音楽を生成してみてください!
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