- デザイン業の倒産が前年比2.7倍に急増
- 生成AIによる「内製化」の広がりが一因
- 独自性なき企業は今後も淘汰の見通し
東京商工リサーチは8月2日、グラフィックデザインやインテリアデザインなどを手掛ける「デザイン業」で、負債1000万円以上の倒産が急増していると発表しました。2026年上半期の倒産は40件で、前年同期比166.6%増、およそ2.7倍にあたります。上半期に40件を超えたのは14年ぶりで、生成AIの普及によるデザイン業務の内製化などが影響したとしています。
倒産した企業は小規模な事業者が中心です。従業員5人未満が36件と全体の約9割を占め、負債額でも1000万円以上5000万円未満が30件と大半でした。体力の乏しい零細事業者から順に、経営が立ち行かなくなっている実態がうかがえます。
同社は倒産増加の背景を大きく3つに整理しています。1つ目は、生成AIの普及を受けて顧客企業がデザイン業務を自社内で完結させる「内製化」が進んだこと。2つ目は、デジタル広告の需要拡大で、紙媒体を主力とする企業が受注を減らしたこと。3つ目は、ハウスメーカーの倒産増加が、内装や家具を扱うインテリアデザイン会社にも波及したことです。
現在のペースが続けば、年間の倒産件数は2011年の80件を上回る可能性もあります。東京商工リサーチは「独自性を打ち出せない企業は価格競争も劣勢に立たされ、こうした企業を中心に今後も淘汰が続くとみられる」と分析しており、AIで代替しやすい仕事ほど厳しさを増している状況です。
一方で、生成AIの利用には著作権などの権利確認や生成物のチェックが欠かせません。こうしたリスクに対応できるデザイン会社は、むしろ存在感を高める可能性があるとされています。AIを脅威と捉えるか、自らの強みを磨く前提と捉えるか——多くの職種にとっても他人事ではない転換点といえそうです。

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