- Chromeが約4GBのGemini Nanoを無断DL
- 世界10億人超のユーザー端末に影響と指摘
- GDPR違反なら最大売上4%の制裁金リスク
Google Chromeが、ユーザーの明示的な同意なしに約4GBのAIモデル「Gemini Nano」を端末に自動ダウンロードしていたことが、2026年5月上旬に明らかになりました。プライバシー研究者のアレクサンダー・ハンフ氏が、macOSのカーネルログを使った検証結果を公開し、Googleを正式に告発しています。
問題のファイルは「weights.bin」というGemini Nanoの重みデータで、Chrome内の「OptGuideOnDeviceModel」フォルダに保存されています。ダウンロードはバックグラウンドで進行し、通知も同意確認もなし。ファイルを削除しても、ChromeのAI機能が有効なままだと再ダウンロードされる仕様です。Windows 11、Apple Silicon Mac、Ubuntuのいずれでも確認されています。
さらに皮肉なのは、Chromeのアドレスバーに表示される「AIモード」やGoogle検索のAI機能は、このローカルモデルを使っていないという点です。これらはGoogleのクラウドサーバーで処理されており、端末に保存された4GBは「Help me write」など一部の限定機能でしか使われていません。多くのユーザーは、使ってもいない機能のためにストレージと帯域を消費していたことになります。
ハンフ氏はGDPR第5条1項・第25条、ePrivacy指令第5条3項などへの違反を主張しています。EU規制当局が違反と認定した場合、Googleは全世界年間売上高の最大4%にあたる制裁金リスクを負う可能性があります。同氏は、4GBを世界の数億〜10億人以上に配布することの環境負荷(推定6,000〜60,000トンのCO2排出)にも言及しました。
Googleは公式声明で「2024年からセキュリティ機能などのために提供している軽量オンデバイスモデル」と説明し、2026年2月から設定画面でモデルを無効化・削除できる機能を順次展開中だと述べています。一方、Chrome 148ではGemini NanoをWebサイトから利用できるPrompt APIがデフォルト有効化され、今後は対応サイトの初回利用時にもモデルがダウンロードされる可能性があります。「ブラウザがいつの間にかAIインフラ化する」流れに、ユーザーの同意設計が追いついているのか、議論はこれから本格化しそうです。

「生成AIで業務効率を上げたい」、「ChatGPTを実務で使えるようになりたい」 このような方に