- スクエニがゲームのQAテストをGeminiで自動化
- AIが画面を見て操作し検証を自ら進める
- 8月「ドラクエX」にAIバディも実装予定
スクウェア・エニックスが、ゲームの品質を検証する「QAテスト」の自動化に、米GoogleのAI「Gemini」を活用していることを明らかにしました。同社の荒牧岳志氏が2026年7月30日、東京ビッグサイトで開かれた「Google Cloud Next Tokyo ’26」の基調講演で発表したものです。AIがゲーム画面を見ながら状況を把握し、コントローラーを自ら操作して検証を進めるといいます。
講演では、実際にAIがゲームを自動でプレイする動画が公開されました。AIはテストのタスクに沿って、自らゲーム内の地図を開いて場所を確認したり、キャラクターを動かしたりしながら検証を進めます。画面にはAIの思考過程や、こなすべきタスクの一覧も表示されていました。開発基盤には、Google Cloudの「Gemini Enterprise Agent Platform」(旧Vertex AI)が使われています。
QAテストは、ゲームの規模が大きくなるほど作業の手間が増えることが長年の課題でした。スクエニはこの自動化に取り組んでおり、経済産業省のコンテンツ産業向け支援にも採択されています。テストの設計から自動プレイ、グラフィックスの不具合検出、テキストのチェックまでをAIで担う基盤づくりを進めてきました。荒牧氏は「現場が本当に求めていたのは、文字のやりとりだけでなく、ゲームの音を聞き、複雑に変化する画面を見て状況を把握できるAIだった」と、画像や音声を扱えるマルチモーダルAIの有用性を強調しています。
AIの活用は、開発の裏側だけにとどまりません。2026年8月には、14周年を迎える「ドラゴンクエストX オンライン」に、対話型のAIバディ「おしゃべりスラミィ」が実装される予定です。ゲームをつくる現場と、プレイヤーが実際に遊ぶ場面の、両方でAI活用が広がっています。
これまで人の手で地道に進めてきた検証作業を、AIが「見て・考えて・操作する」時代が現実味を帯びてきました。単純な繰り返し作業をAIに任せ、人はより創造的な仕事に集中する——。ゲーム業界での取り組みは、私たちの職場でAIとどう役割分担していくかを考えるうえでも、ひとつのヒントになりそうです。

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